交通事故で顔をけがしたら?腫れ・傷跡の治療と受診先、補償を解説
こんにちは、鹿児島で交通事故後の身体のケアに取り組む「鹿大前整骨院」院長の宮原です。
交通事故で顔をぶつけると、痛みや腫れと一緒に「この傷は残るのかな」「顔の形は元に戻るのかな」という心配も出てきます。
鏡を見るたびに気になったり、人と会う予定をためらったり。顔のけがは、普段の暮らしにも関わる問題です。
まず大切なのは、見た目の傷だけで判断せず、目・鼻・口の働きや、頭部への影響まで病院で確認すること。
皮膚の傷が小さくても、骨折や目の損傷が隠れている場合があります。
この記事では、救急受診が必要な症状から、診療科の選び方、傷跡の治療、治療費や補償の考え方までお伝えします。
整骨院で対応できることと、病院での治療が必要なことも、分けて説明していきますね。
この記事のポイント
- 顔をぶつけたあとに急いで受診したい症状
- 腫れ・骨折・目や歯のけがに合った受診先
- 傷跡を目立ちにくくする治療と日常の注意点
- 治療費・慰謝料・後遺障害に備える記録
交通事故で顔をけがしたときの受診と対処
事故直後は、顔の出血や腫れに目が向きがちです。ただ、受診の緊急性は、傷の大きさだけでは決まりません。
まず意識や呼吸、目の見え方などを確かめ、そのうえで症状に合った診療科につなげることが大切です。
救急車を呼ぶ症状を先に確認
顔を打ったあとに、呼びかけへの反応がおかしい、息がしづらい、出血が多く止まらないときは、119番で救急車を呼んでください。
保険会社への連絡や傷の撮影より、救命と受診を優先する場面です。
顔への衝撃と同時に、頭や首も傷めている可能性があります。
意識を失った、吐くことを繰り返す、頭痛が次第にひどくなる、けいれんがある、手足が動かしにくいといった症状も、救急対応が必要な目安になります。
顔のけがと一緒に確認したい異変
会話がかみ合わない、普段と違ってぼんやりしている、呼吸が苦しそう、口の中に血がたまる、急に目が見えにくくなった。
このような変化を「事故で驚いているだけ」と決めつけないでください。
安全が確保できている場所では、本人を無理に立たせたり、首を動かして痛みを試したりしないようにします。
車の往来などの危険がある場合は、周囲の人にも助けを求め、119番の指示に従って対応しましょう。
一度病院から帰宅したあとでも、新しい異変が出れば再受診が必要です。
「最初の検査で問題がなかったから」と我慢せず、いつから何が変わったかを伝えてください。
見え方や意識に異常があるときは、自分で運転して移動しないことも大切ですよ。
顔のけがは何科を受診する?
顔の傷や顔面骨折は形成外科、目の異常は眼科、歯やあごのけがは歯科・歯科口腔外科が主な受診先になります。
ただし、事故直後で複数の場所を傷めている場合や緊急症状がある場合は、救急外来で全身の確認を受けることが先です。
「形成外科」と「整形外科」は名前が似ていますが、診療の中心が異なります。
形成外科は顔の傷や変形、傷跡などを扱い、整形外科は首・腰・手足などの運動器のけがを扱います。顔と首の両方を傷めたときは、複数の診療科が関わることもあります。
| 主な症状 | 受診先の目安 | 伝えたい内容 |
|---|---|---|
| 顔の切り傷・擦り傷・変形 | 形成外科、救急外来 | ぶつけた場所、傷の汚れ、出血 |
| 見えにくい・二重に見える | 眼科、救急外来 | 見え方の変化、目の痛み |
| 鼻の変形・鼻づまり・鼻血 | 耳鼻咽喉科、形成外科 | 鼻の通り、事故前との違い |
| 歯が折れた・かめない | 歯科、歯科口腔外科 | 歯の欠け、ぐらつき、かみ合わせ |
| 意識の異常・悪化する頭痛 | 救急外来、脳神経外科 | 頭を打った状況、嘔吐や意識消失 |
診療科の担当範囲は病院によって違います。
受診先に電話する場合は「交通事故で顔を打ち、今は口が開きにくい」など、事故と症状をセットで伝えると案内を受けやすくなります。
診療科を探すために、緊急の受診を遅らせないようにしてください。
顔の腫れや内出血は打撲とは限らない
顔をぶつけたあとに腫れや青あざが出るのは、皮膚の下の組織や血管が傷つくためです。
ただし、腫れているだけに見えても、鼻・頬・目の周囲などの骨折を伴う場合があります。
外から眺めたり、指で触れたりするだけでは区別できません。
注意したいのは、腫れの程度に加えて、普段できていた動作に変化があること。
口を開くと引っかかる、歯がいつもの位置で合わない、頬の感覚が鈍い、目を動かすと見え方がおかしいといった症状は、診察で伝えたい情報です。
事故直後には、腫れによって顔の輪郭の変化が分かりにくいこともあります。
数日たって「片側の頬がへこんで見える」「鼻が曲がっている気がする」と気づいた場合も、その変化を受診先へ伝えてください。
美容上の問題だけと考えず、けがの経過として確認してもらいましょう。
一方で、すべての腫れに手術が必要なわけではありません。
診察や必要な画像検査で、どの組織が傷んでいるかを確認し、経過観察でよいのか、処置が必要なのかを判断します。
「骨折かもしれないから触って確かめよう」と、繰り返し押すことは避けてくださいね。
傷口の出血と汚れへの応急処置
皮膚の傷から出血している場合は、清潔なガーゼや布で傷を覆い、押さえて止血します。何度も布を持ち上げて確認するより、圧迫を保つことが基本です。
ただし、眼球そのものや、異物が刺さった場所を押してはいけません。
出血が落ち着いていて、表面の浅い擦り傷に砂や泥が付いている場合は、流水でやさしく洗い流します。
皮膚に食い込んだ砂利やガラスは、自分で掘り出したり、ピンセットで取り続けたりせず、そのまま受診してください。
傷の中に異物が残ると、感染だけでなく、治ったあとに色が残る原因になることがあります。
道路で顔を擦った場合は、見える傷の広さにかかわらず「アスファルトに接触した」「砂が入った」と伝えることが、処置の判断に役立ちます。
まぶたや唇の傷、口の中まで届いていそうな傷、傷口が開いているものは、早めの診察が必要です。市販の接着剤などで閉じることは避けましょう。
消毒薬を何度も塗ったり、自己判断で密閉したりせず、受診までは清潔なガーゼなどで保護します。
土や汚れが入った傷では、破傷風の予防が必要かどうかも確認されます。
予防接種歴が分かるものがあれば持参するとよいですが、探すために受診を遅らせる必要はありません。
目の痛みや二重に見える症状
顔をぶつけたあとに物が二重に見える、視界がかすむ、目が開けにくい、目を動かすと痛む場合は、その日のうちに眼科や救急外来で評価を受けてください。
急な視力低下や激しい痛みがあるときは、すぐに救急対応が必要です。
目の周りの青あざと、眼球や視神経の状態は別です。外見の腫れが少なくても、見え方に異常があれば軽く扱えません。
また、目を囲む骨が折れると、目の動きに影響して二重に見えることがあります。
子どもの場合は「二重に見える」と説明できず、目を動かしたがらない、吐き気がある、元気がないといった様子で気づくこともあります。
顔を打ったあとにこのような変化があれば、打った場所と行動の変化を一緒に伝えましょう。
目に何か刺さっている、傷が深そう、眼球の形がおかしい場合は、触ったり洗ったりせず、直ちに救急受診します。
まぶたの上から押す、こする、無理に目を開ける行為も避けてください。単なる目の疲れとして市販の目薬だけで様子を見る場面ではありません。
鼻の変形や頬のしびれを放置しない
鼻をぶつけたあとに、形が変わった、片側が詰まる、鼻血が繰り返す場合は、耳鼻咽喉科や形成外科で確認します。
鼻の傷は表面だけでなく、骨や軟骨、鼻の内側に及んでいることがあるためです。
「腫れが引いてから病院に行こう」と長く待つのは避けたいところ。鼻骨骨折では、受傷からの時間が治療方法に関わります。
まず早期に診察を受け、腫れが引くのを待つかどうかは医師の治療計画に沿って判断しましょう。
頬から上唇にかけて感覚が鈍い、触れた感じが左右で違う場合は、骨折に伴って感覚を伝える神経に影響が出ている可能性もあります。
「痛みがないから大丈夫」ではなく、しびれの場所と、事故後から続いていることを伝えてください。
また、目が閉じにくい、口元が片側だけ動かしにくいといった変化も診察が必要です。
顔のマッサージや表情の体操で治そうとせず、原因を確認することが先になります。
見た目の変化と、動き・感覚の変化は、どちらも大切な症状ですよ。
歯の損傷とかみ合わせの変化
歯が欠けた、ぐらつく、口の中から血が出る場合は、歯科や歯科口腔外科を受診します。
歯の表面が少し欠けただけに見えても、根や歯を支える組織が傷ついている可能性があります。
とくに、事故前と歯の当たり方が違う、口が開かない、あごを動かすと痛い場合は、歯だけでなくあごの骨折も確認したい症状です。
かみ合わせを戻そうとして、あごを押したり無理に開閉したりしないでください。
歯が抜け落ちた場合は、できるだけ早く歯科へ連絡し、歯の扱いと受診先の指示を受けます。
見つかった歯や破片を捨てたり、乾いたティッシュで包んで長時間放置したりせず、回収できたことを伝えましょう。
乳歯か永久歯かでも対応が違うため、自己判断で押し戻すのは避けます。
食べると痛いときは、硬い物をかんで確かめる必要はありません。何が食べにくいのか、飲み物は飲めるのかも診察に役立つ情報です。
救急外来で顔を診てもらったあとでも、歯の違和感が残るなら、そのままにせず歯科で確認してください。
エアバッグによる顔の傷とやけど
エアバッグは身体を守る装置ですが、作動時の接触によって顔に打撲や擦り傷、やけどなどが生じることがあります。
赤くなった部分が、摩擦による傷なのか、熱や化学物質の影響なのかは、見た目だけでは判断しにくい場合があります。
皮膚のやけどが疑われるときは、流水で冷やすことが基本です。氷を直接当て続けたり、水ぶくれをつぶしたり、油や自己流の塗り薬を使ったりしないようにしましょう。
顔は目や鼻、口に近いため、早めに診察を受けることが大切です。
目に粉末などが入った場合は、こすらず、刺さった物や眼球の深い傷が疑われなければ、すぐに流水で洗い流しながら受診につなげます。
洗ったあとに痛みが軽くなっても、見え方の変化があれば眼科での確認が必要です。
受診時は「エアバッグが開いた」「顔のこの位置に当たった」と伝えてください。メガネが破損した場合は、そのことも重要です。
皮膚の処置については、エアバッグでやけどする原因と応急処置でも詳しく紹介しています。
顔面骨折の検査と治療の考え方
顔の骨折が疑われる場合は、顔の形や感覚、目の動き、口の開き方などを調べ、必要に応じて画像検査を行います。
顔の骨の状態を詳しく確認するためにCTが使われることがありますが、検査は症状と診察所見に応じて選ばれます。
骨折が見つかった場合も、全員が同じ治療になるわけではありません。
骨のずれ、視機能やかみ合わせへの影響、顔の変形などから、経過観察や手術を検討します。
外見だけでなく、見える・食べる・話すという日常の機能を守ることが治療の目的です。
慶應義塾大学病院でも、顔面骨折の治療では、機能と形態の修復を目的とすることが説明されています。(出典:慶應義塾大学病院「顔面の外傷や骨折」)
診察では、検査結果だけでなく「今後どんな変化があれば再受診するか」「鼻をかむ、運動する、食事を取る際の制限があるか」も聞いておくと、自宅で迷いにくくなります。
骨折の種類によって注意点は違うので、一般的なセルフケアをそのまま当てはめないことが大切です。
交通事故による顔の傷跡と治療費・補償
緊急の処置が終わると、傷跡がどのくらい目立つのか、仕事に戻れるのか、治療費はどうなるのかが気になってきます。
ここからは、治療を続けるうえで知っておきたいことと、補償の話し合いに備える方法をお伝えします。
顔の腫れや傷はいつ治る?
顔のけがの回復期間は、打撲・皮膚の傷・骨折・神経の損傷によって異なります。
「顔のけがなら何日」と一律には決められません。
同じ切り傷でも、深さ、汚れ、傷の位置、感染の有無などで経過が変わります。
ここで分けて考えたいのが、傷口が閉じることと、傷跡の赤みや硬さが落ち着くことです。表面がふさがっても、その下では回復が続いています。
抜糸が済んだ日が、そのまま傷跡の治療終了日になるとは限りません。
赤みや盛り上がりなどは、月単位で変化することがあります。
ただし、腫れが増える、赤みが周囲に広がる、膿が出る、熱が出る、痛みが増している場合は、単なる回復途中と決めつけず、受診先へ連絡してください。
仕事や学校への復帰も、傷の見た目だけで判断しないようにしましょう。視界に問題があれば運転や機械作業に、口が開きにくければ食事や会話に影響します。
あなたの仕事内容を伝えて、どの動作を控える必要があるか具体的に確認すると、復帰の準備がしやすくなります。
傷跡を目立ちにくくする治療
顔の傷跡の治療は、赤み、盛り上がり、へこみ、ひきつれなど、残っている状態によって選びます。
傷が閉じたあとも、形成外科などで経過を確認しながら治療を検討できます。
例えば、傷にかかる張力を減らすためのテープやシリコーン製剤、炎症や盛り上がりに対する薬や注射、傷跡の状態に応じた手術などがあります。
色調や傷の性質によっては、レーザー治療が検討される場合もありますが、どの傷にも適するわけではありません。
治療の目的は、傷を完全になかったことにするというより、目立ち方やひきつれ、痛みなどを改善することです。
治療によって新しい傷ができる場合や、複数回の処置が必要な場合もあるので、期待できる変化と負担の両方を確認しましょう。
また、見た目の悩みを話すことは、わがままではありません。
「写真に写るのがつらい」「接客中に傷が気になる」「笑うと口元が引っ張られる」など、困っている場面をそのまま伝えて大丈夫です。
機能面と見た目の両方が、治療を考える材料になります。
◆院長のワンポイントアドバイス
私がお伝えしたいのは、「傷が閉じたから、もう相談できない」と思わなくてよいということです。
痛み、つっぱり、見た目への不安は、それぞれ別の困りごと。診察で遠慮せず伝えてくださいね。
洗顔・メイクと自宅ケアの注意点
傷を早く目立たなくしたくても、擦ったり、かさぶたをはがしたりするのは避けましょう。
洗顔、メイク、テープの使用を再開できる時期は、傷の状態や処置の内容によって違います。退院や処置の際に受けた説明を、自宅ケアの基本にしてください。
「水にぬらしてよいか」「洗ったあとは何を塗るか」「ガーゼはいつ交換するか」を、別々に確認しておくと迷いにくくなります。
傷口が開いている間に化粧品で隠したり、落とすために何度もこすったりすると、刺激が加わってしまいます。
傷が閉じたあとの紫外線対策も、皮膚の状態に合わせて行います。まだ傷がある場所へ日焼け止めを直接塗るのではなく、帽子などで日差しを避ける方法もあります。
医療用テープを使っている場合は、自己判断で別の商品へ替える前に、使い方を確認しましょう。
腫れが気になるからと、美顔器やローラーで顔を押したり、温め続けたりすることも控えたい行動です。
骨折や手術後には、その治療に応じた制限があります。家族にケアを手伝ってもらうときは、処置の説明書を一緒に確認すると、やり方の食い違いを防げますよ。
治療費や慰謝料はどう考える?
交通事故による顔のけがでは、事故との関係や治療の必要性などに応じて、治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料などが補償の対象になります。
ただし、顔に傷ができたという理由だけで、一定の金額が自動的に支払われるわけではありません。
自賠責保険では、傷害による損害の支払限度額は、被害者1人につき120万円です。
これは慰謝料だけの金額ではなく、治療関係費や休業損害などを合わせた枠になります。
自賠責の限度額と、相手方への損害賠償全体の金額は同じではありません。
国土交通省は、治療費について必要かつ妥当な実費を対象とし、後遺障害による損害は傷害とは別に扱うことを示しています。(出典:国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」)
病院の窓口負担は、保険会社による病院への直接支払いが行われるかどうかなどで変わります。「交通事故なら必ず窓口0円」とは限りません。
受診先を伝え、支払い方法や必要な書類を確認し、立て替えた場合は領収書を保管してください。
なお、慰謝料の金額だけを理由に通院回数を増やす考え方は適切ではありません。
傷の処置や経過確認に必要な頻度で受診し、治療内容と生活への影響が記録されることが大切です。

傷跡の治療費はすべて対象になる?
事故でできた傷跡の治療でも、希望した処置がすべて補償されるとは限りません。事故との関係、治療の目的、必要性、費用の妥当性などが確認されます。
例えば、まぶたの傷がひきつれて目を閉じにくい場合と、傷跡のわずかな色の違いをさらに改善したい場合では、検討する事情が異なります。
ただし、「見た目の治療だから全部対象外」とも言い切れません。治療の名称だけで判断せず、何を改善するための処置なのかを明確にすることが大切です。
追加の手術やレーザーなどを予定する場合は、医師から説明された目的、時期、費用の見込みを確認し、保険会社にも事前に共有しましょう。
治療を受けたあとで初めて請求すると、負担範囲について認識の違いが生じることがあります。
保険会社へ連絡した日、担当者名、回答内容も残しておくと役立ちます。
「治療してよいと言われた」のか、「その費用を支払うと確認できた」のかは別の話です。曖昧な点は、支払い対象や上限を具体的に聞いておきましょう。
顔の傷跡と後遺障害の違い
治療後も残る症状を一般に後遺症と呼びますが、補償制度上の「後遺障害」は、事故との因果関係や医学的な所見、等級の基準などによって判断されます。
傷跡が残ったことと、後遺障害に認定されることは同じではありません。
顔などの外見に残る傷や変形は、制度上「外貌醜状」と呼ばれる分類で検討される場合があります。
日常では使わない表現ですが、本人の価値や魅力を表す言葉ではなく、補償のための用語です。
判断では、傷の位置、長さや面積、へこみ、目立ち方などが確認されます。
また、目の見え方、口の開き方、顔の感覚などに障害が残っている場合は、外見の傷跡とは別の評価が必要になることがあります。
後遺障害の検討は、治療の経過を踏まえて行います。
「事故から何か月たったら必ず申請」と一律に決めるものではありません。傷跡が今後どの程度変化しそうか、追加治療の予定があるかを、担当医の診察で確認していきましょう。
診断書などは、実際に診察した医師が医学的な内容を記載します。
整骨院の施術記録や自分で撮った写真だけで、必要な医学的評価を代わりに行うことはできません。
写真と生活への影響を記録する
治療を続けながら残したいのは、傷の経過が分かる写真と、日常生活で困ったことの記録です。どちらも、診察や補償の説明を助ける資料になります。
ただし、撮影のために止血や受診を遅らせないようにしてください。
写真は、撮影日が分かる形で、顔全体と傷の部分を残しておくと経過を比べやすくなります。
できる範囲で明るさや距離をそろえ、美肌加工や色の補正は使わず、元のデータを保存しましょう。
傷の大きさを測るために、定規などを傷口へ押し当てる必要はありません。
生活の記録は、長文でなくて大丈夫です。
「朝食で口を開けると痛んだ」「画面を見ると二重になった」「接客を短時間に変更した」など、いつ、何をしたとき、どんな支障があったかを具体的に残します。
病院の領収書、薬の説明書、診断書、交通費の記録、欠勤や業務変更が分かる資料も、ひとまとめに保管してください。
複数の診療科に通う場合は、受診日と治療内容を簡単にメモすると、経過を伝えやすくなります。
写真だけでは、痛みや見え方までは分かりません。記録を残すことと、診察で症状を伝えることをセットで続けていきましょう。
顔のけがで整骨院が担う役割
顔の切り傷の縫合、顔面骨折の診断、目や歯の損傷の治療、傷跡の修正は、整骨院で行うものではありません。
交通事故で顔を傷めたときの最初の受診先は、症状に対応できる病院や歯科です。
一方、同じ事故で首や肩、腰なども傷めている場合は、病院での診断や治療方針を踏まえて、整骨院での施術を検討する場面があります。
その際も、顔の治療を中断したり、顔のしびれをむちうちのせいと決めつけたりしないことが重要です。
鹿大前整骨院へご相談いただく際は、事故日、受診した診療科、診断内容、現在受けている治療をお伝えください。
手術や骨折の治療中であれば、姿勢や運動について受けている制限も確認します。顔への圧迫を伴う姿勢などを安易に取らないためです。
病院と整骨院を併用する場合は、担当医に施術内容を相談し、保険会社には費用の取り扱いを確認します。
通院頻度は症状や治療計画に応じて決めるもので、誰でも同じ回数にすればよいわけではありません。

見た目への不安も診察で伝える
顔の傷は、周囲から「そのうち目立たなくなるよ」と言われても、すぐには気持ちが追いつかないことがあります。
人の視線が気になる、鏡を見るのがつらい、事故の場面を思い出して眠れない。こうした負担も、一人で抱える必要はありません。
診察では、身体の症状に加えて「外出しにくくなった」「仕事に集中できない」と伝えてください。
必要に応じて、心療内科や精神科などの支援につなげてもらうことができます。
家族も、傷の大きさを基準に気持ちを評価するより、本人が何に困っているかを聞くことが助けになります。
写真に写る、職場で説明する、人前でマスクを外すなど、負担に感じる場面は人それぞれです。
私も、身体の痛みだけが事故後の困りごとだとは考えていません。まずは話せる範囲で大丈夫。生活を取り戻すために、どの支援が必要なのかを言葉にしていきましょう。
交通事故の顔のけがでよくある質問
Q1. 顔に傷がなくても受診したほうがよいですか?
A. 顔をぶつけたあとに痛み、腫れ、しびれ、見え方やかみ合わせの変化があれば、傷が見えなくても受診してください。外の皮膚が切れていなくても、内部の骨や目などが傷んでいる可能性があります。事故の衝撃が大きかった場合や、頭を打った可能性がある場合も、その状況を医療機関へ伝えましょう。
Q2. 顔の腫れは冷やして様子を見てもよいですか?
A. 皮膚の打撲では、布越しに冷やすことで痛みを和らげる場合があります。ただし、冷やすことは診断の代わりにはなりません。目を押したり、氷を皮膚へ直接当てたりせず、見え方の異常や顔の変形、口の開けにくさがあれば受診してください。受診後の冷却方法は、けがに応じた指示に従います。
Q3. 傷跡は時間がたってからでも治療できますか?
A. 時間がたった傷跡でも、状態に応じて治療を検討できる場合があります。赤み、盛り上がり、へこみ、ひきつれでは選ぶ方法が異なります。以前の治療内容や経過が分かる資料があれば、形成外科で見てもらう際に持参してください。古い傷だから改善できないと、自分で決めなくて大丈夫ですよ。
Q4. 小さな顔の傷でも補償されますか?
A. 傷が小さいことだけで、治療費や慰謝料が対象外になるわけではありません。事故との関係や必要な治療などを踏まえて判断されます。一方、残った傷跡について後遺障害が認められるかは別の基準です。治療中の補償と、治療後に残る障害の補償を分けて考えてください。
Q5. 保険会社の返事が来るまで受診を待つべきですか?
A. 受診が必要な症状があるなら、返事を待って遅らせないでください。とくに目の異常、意識の変化、止まらない出血などは急いで対応します。受付では交通事故によるけがであることを伝え、支払い方法を確認しましょう。費用を立て替えた場合は、領収書と診療明細書を保管します。
交通事故で顔を傷めたら受診を優先
交通事故による顔のけがは、傷跡だけでなく、目の見え方、かみ合わせ、感覚や表情の動きまで確認することが大切です。
見た目の傷が小さくても、気になる変化があれば、その症状に合った医療機関で診てもらいましょう。
- 意識や呼吸の異常、多量の出血などがあれば119番
- 顔の傷は形成外科、目は眼科、歯やあごは歯科口腔外科などへ
- 傷が閉じたあとも、赤みやひきつれを必要に応じて診察で確認
- 治療の記録や領収書を残し、補償の話し合いに備える
顔の治療を病院で進めながら、同じ事故による首や腰の不調にも目を向けてください。
鹿大前整骨院では、医療機関での診断や治療方針を踏まえて、身体のケアについてご相談を受けています。
痛みが減ること、食事ができること、人と会う不安が少し和らぐこと。あなたが日常を取り戻すうえで必要なことを、一つずつ確認していきましょう。



