こんにちは、鹿児島で交通事故治療が得意な整骨院「鹿大前整骨院」院長の宮原です。

信号待ちで届いたメッセージを確認する。地図アプリを少し見る。

着信があったのでスマホを手に取る。日常では何気ない動作でも、車を運転している最中となれば話はまったく違ってきます。

警察庁の統計を見ると、スマートフォンや携帯電話などの使用が関係する死亡・重傷事故は近年増加傾向にあります。

2025年には、携帯電話等使用による死亡・重傷事故が148件発生しました。

また、携帯電話等を使用していた場合の死亡事故率は、使用していない場合と比べて約3.4倍とされています。

「ほんの数秒だから大丈夫」という感覚と、実際の道路上で車が進む距離には大きなズレがあります。

事故に遭ってしまった方にとっては、その後の警察への届け出、受診、保険会社への連絡なども大切です。

この記事では、ながらスマホ事故がなぜ危険なのか、現在の罰則、事故件数、過失割合との関係、さらに事故に遭った後にどう動けばよいのかまで、できるだけわかりやすくお話しします。

この記事のポイント

  • ながらスマホ事故の件数と危険性
  • 運転中のスマホ使用に対する現在の罰則
  • ながらスマホが過失割合に与える影響
  • 事故後の受診や保険手続きの進め方

ながらスマホ事故が危険な理由と罰則

ながらスマホ事故を考えるとき、「スマホを触ったこと」だけを見るのではなく、その間に運転者の視線や意識が道路からどれだけ離れてしまうかを見ることが大切です。

スマートフォンは小さな画面ですが、メール、SNS、動画、地図など、多くの情報が表示されます。

そのため、一度画面へ意識が移ると、前方の車や歩行者、信号の変化などへの反応が遅れやすくなります。

ながらスマホの事故件数は増えている

警察庁によると、2025年中の携帯電話等使用による死亡・重傷事故は148件でした。2021年以降は増加傾向にあります。

さらに注目したいのが、事故の「件数」だけではありません。

携帯電話等を使用していた場合は、使用していなかった場合と比較して、死亡事故率が約3.4倍とされています。

確認したいポイント 警察庁の2025年データ
死亡・重傷事故件数 148件
死亡事故率 不使用時の約3.4倍
主な人的要因 前方不注意が約9割

数字は年によって変わりますので、あくまで公表時点の統計として見る必要があります。それでも、スマートフォンの使用が重大事故と無関係ではないことはわかります。

とりわけ死亡・重傷事故では、携帯電話等を使用していたケースの人的要因の約9割を前方不注意が占めています。

つまり、スマホそのものが車をぶつけるのではありません。スマホへ意識を向けたことで、本来見るべき道路状況を見られなくなることが大きな問題なんですね。

(出典:警察庁「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」)

たった2秒でも車は進み続ける

「長時間スマホを見ていたわけではない」と思う方もいるでしょう。

ですが、車を運転している最中は、その2秒がかなり長い時間になります。

警察庁では、時速60kmで走っている車の場合、2秒間で約33.3m進むと紹介しています。

速度 2秒間に進むおおよその距離
時速20km 約11m
時速40km 約22m
時速60km 約33m
時速80km 約44m

距離は速度から計算した一般的な目安です。実際の走行環境や路面状況などによって事故の起こり方は変わります。

それでも、時速60kmならスマホを2秒見ている間に、およそ大型バス数台分もの距離を車が進んでしまいます。

その間に前の車が急ブレーキをかけるかもしれません。横断歩道へ歩行者が入ってくるかもしれないですし、自転車が飛び出してくる可能性もあります。

◆院長のワンポイントアドバイス

交通事故では「ぶつかる直前に気づいた」という話を聞くことがあります。しかし、発見が少し遅れるだけでも、ブレーキを踏み始める位置が変わります。

スマホを一瞬確認する行為でも、その数秒間は車だけが前へ進み続けていると考えておきたいですね。

どこからがながらスマホになるのか

道路交通法では、車が停止している場合を除き、運転中に携帯電話などを手で保持して通話したり、スマートフォンなどに表示された画像を注視したりする行為が禁止されています。

典型的なのは、次のような行為です。

  • スマートフォンを手に持って通話する
  • 運転中にLINEやメールを読む
  • SNSや動画を見る
  • 地図アプリの画面を注視する
  • スマートフォンで文字を入力する

ここで間違えやすいのが、「電話をしていなければ大丈夫」という考え方です。

問題になるのは通話だけではありません。画面を注視する行為も対象です。

例えば、スマートフォンを車載ホルダーへ固定して地図アプリを使っていたとしても、運転中に画面を長く注視すれば問題になる可能性があります。

カーナビについても同じで、「手に持っていないから何をしてもよい」という意味ではありません。

操作が必要になったら、安全な場所へ車を停止させてから行うことが基本です。

信号待ちなどの扱いは状況によって判断が変わることがあるため、「止まっている瞬間なら必ず大丈夫」と考えてスマホを触る習慣をつけないほうが安全でしょう。

なお、ハンズフリー通話についても、端末を保持する行為とは異なるものの、会話へ意識が向けば注意力が下がることがあります。

鹿児島県警も、ハンズフリー通話について運転中は控えるよう呼びかけています。

車のながらスマホには罰則がある

運転中のスマートフォン使用に対する罰則は、2019年12月の道路交通法改正によって厳しくなりました。

現在は、大きく「携帯電話使用等(保持)」と「携帯電話使用等(交通の危険)」に分けて考えることができます。

区分 罰則 普通車の反則金 基礎点数
携帯電話使用等(保持) 6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 18,000円 3点
携帯電話使用等(交通の危険) 1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 反則金の適用なし 6点

罰則や反則金は制度改正によって変更される場合がありますが、2026年時点では上記の内容が警察庁から案内されています。

特に、スマートフォンを使用したことで交通の危険を生じさせたケースでは基礎点数が6点です。

「スマホを見たくらい」と軽く考えられる内容ではありません。

道路交通法第71条でも運転中の携帯電話使用などについて規定されています。

(出典:e-Gov法令検索「道路交通法」)

自転車のながらスマホも対象になる

ながらスマホというと自動車をイメージする方が多いですが、自転車も対象です。

2024年11月1日から、自転車を運転しながらスマートフォンを手に持って通話したり、画面を注視したりする行為に対する罰則が強化されました。

さらに2026年4月1日からは、16歳以上の自転車運転者に交通反則通告制度、いわゆる「青切符」が導入されています。

携帯電話使用等の保持については、反則金12,000円が設定されています。

もちろん重要なのは反則金だけではありません。

自転車は車体が軽く、運転者の身体がむき出しです。そのため、ながらスマホによって車や歩行者と衝突すると、自転車側にも大きなけがが生じる可能性があります。

2024年には、自転車利用者のながらスマホによる死亡・重傷事故が28件発生し、2014年以降で最多となりました。

「車ではないから少しくらい」という考えは危険です。

ながらスマホは過失割合にも関係する

事故に遭った方からすると、罰則と同じくらい気になるのが過失割合ではないでしょうか。

例えば、相手がスマートフォンを見ながら運転していて事故を起こした場合、「相手がスマホを使っていたのだから、こちらの過失は必ず0になるのでは」と思うかもしれません。

しかし、過失割合はそれほど単純には決まりません。

交通事故では、交差点だったのか、追突だったのか、信号は何色だったのか、道路の幅はどうだったのか、一時停止があったのかなど、事故そのものの状況から基本となる過失割合を考えます。

その上で、スマートフォンの使用などが事故発生に影響していたと判断されれば、過失を修正する要素として扱われることがあります。

大切なのは「スマホを持っていたか」だけではなく、「その使用が事故にどう関係したのか」です。

したがって、「ながらスマホだったら必ず10%追加される」「必ず100対0になる」と一律に考えることはできません。

相手がスマートフォンを操作していたように見えた場合は、その事実を事故直後の段階で警察へ伝えておくことが重要になります。

ながらスマホ事故に遭った後の対応

ながらスマホ事故に遭った後は、相手がスマートフォンを使っていたかどうかの確認だけに意識を向けないことが大切です。

事故現場で行うこと、身体の確認、医療機関の受診、保険会社への連絡を順番に進めましょう。

事故直後は興奮しているため、首や腰などの痛みに気づかないこともあります。

事故直後にやることを確認する

まず、けが人がいる場合は救護を優先します。必要に応じて119番へ連絡してください。

その上で警察へ事故を届けます。

「小さな接触だから」「車にほとんど傷がないから」と当事者だけで済ませてしまうのは避けたいところです。

あとから身体に痛みが出たり、車の修理が必要になったりしたとき、事故としての記録がなければ手続きが難しくなる可能性があります。

可能であれば、事故現場では次のような内容も残しておきます。

  • 相手の氏名や連絡先
  • 車両のナンバー
  • 加入している保険会社
  • 車両の損傷部分
  • 道路や信号の状況
  • 事故現場の写真や動画
  • 目撃者がいる場合はその情報
ながらスマホ事故後に事故現場の状況を確認している様子ながらスマホ事故では事故直後の状況確認も大切です

事故に遭った直後の基本的な流れについては、交通事故に遭ったときの対応も参考にしてください。

相手のスマホ使用を記録する

相手が事故直前にスマートフォンを見ていた可能性がある場合、その情報も残しておきましょう。

ただし、自分で相手のスマートフォンを取り上げたり、無理に操作履歴を見せてもらおうとしたりするのは避けてください。

事故現場では、見たことや聞いたことを警察へ伝えます。

例えば、「衝突する直前まで相手が下を向いていた」「片手にスマートフォンを持っていたように見えた」など、自分が確認した事実をできるだけ具体的に伝えます。

ドライブレコーダーがある場合は、映像を上書きしてしまわないよう保存しておくことも重要です。

周囲の車両や店舗の防犯カメラ、目撃者などが事故状況を確認する手がかりになる場合もあります。

◆院長のワンポイントアドバイス

事故直後は身体のことだけで精いっぱいになりがちです。ですが、「相手がずっと下を向いていた」など覚えていることがあれば、時間がたって忘れる前にスマホのメモなどへ残しておくとよいでしょう。

事故後に自分で運転しながら入力するのではなく、安全な場所で行ってくださいね。

痛みがなくても身体を確認する

交通事故では、事故直後にはほとんど痛くなかったのに、その日の夜や翌朝になって首、肩、背中、腰などがつらくなることがあります。

特に追突や側面からの衝突では、身体が急激に揺さぶられます。

外から見て出血や腫れがなくても、身体には負担がかかっている可能性があります。

ながらスマホ事故の翌日に首の痛みを感じている女性交通事故では翌日になって首の痛みを感じることもあります

頭を強く打った、意識がぼんやりする、手足が動かしにくい、強いしびれがある、吐き気が続く、激しい頭痛があるといった場合は、早急な医療機関での確認が必要になります。

また、症状が軽くても、交通事故後に違和感があるなら整形外科などの医療機関を早めに受診しておくことが大切です。

事故から受診まで長い期間が空いてしまうと、あとから出てきた症状と事故との関係を確認しにくくなることがあります。

交通事故後の痛みを「そのうち治るだろう」と長期間そのままにしないこと。事故直後に症状が軽かったとしても、経過を見る中で変化がないか確認しておきましょう。

むちうちはあとから症状が出ることもある

交通事故後に多い相談の一つが、首の痛みや動かしにくさです。

一般的に「むちうち」と呼ばれる状態では、首だけではなく、肩の張り、背中の痛み、頭痛、めまいなどを感じる方もいます。

事故時にはシートベルトで身体が固定される一方、頭部は大きく揺さぶられることがあります。そのため、外見上は大きなけがが見えなくても首周辺に負担が加わるケースがあります。

もちろん、交通事故後の頭痛やしびれ、めまいなどがすべてむちうちによるものとは限りません。

だからこそ、最初から「これはむちうちだから大丈夫」と自分で決めてしまわず、医療機関で身体の状態を確認することが重要です。

レントゲンなどの画像検査が必要になる場合もあります。

事故後に画像検査で大きな異常が見つからなかった場合でも、首を動かしたときの痛みや筋肉周辺の違和感などが残ることはあります。その場合は、医師の診察を受けながら経過を見ていきます。

整形外科と整骨院を使い分ける

交通事故後に「整形外科と整骨院のどちらへ行けばよいですか」と聞かれることがあります。

この二つは同じ施設ではありません。

整形外科は医師が診察を行う医療機関です。レントゲンやMRIなど必要な検査を行い、医学的な診断、薬の処方などを行うことができます。

一方、整骨院は柔道整復師が施術を行う施術所です。柔道整復師は国家資格ですが医師ではないため、レントゲンやMRIによる画像検査、薬の処方、医学的な診断はできません。

項目 整形外科 整骨院
医師による診断 可能 不可
画像検査 可能 不可
薬の処方 可能 不可
柔道整復師による施術 施設による 可能

そのため、事故後はまず医療機関で身体の状態を確認しておくことが大切です。

その後、首や腰などの痛みに対して整骨院で施術を受けたい場合は、整形外科での診察も継続しながら通院する方法があります。

ながらスマホ事故後の首や腰の症状について整骨院で相談する女性事故後の症状や事故状況を確認しながら施術方針を考えます

鹿大前整骨院でも、交通事故後の首、肩、背中、腰などの不調についてご相談を受けています。

事故による保険を利用した整骨院通院を希望する場合には、先に保険会社へ通院先を伝えておくと、その後のやり取りを進めやすくなります。

◆院長のワンポイントアドバイス

私は「整骨院だけに行けばいいですよ」とは考えていません。交通事故では、まず医師による診察や必要な検査を受けておくことが大切です。

その上で、症状や生活状況に合わせて整骨院を併用するという考え方が現実的です。

保険会社にも早めに連絡する

交通事故の被害に遭った場合は、相手方の保険会社や自分が加入している保険会社とのやり取りが始まります。

治療や施術を受ける場合には、どの医療機関や整骨院へ通うのかを保険会社へ伝えておくと手続きが進めやすくなります。

ながらスマホ事故後に保険会社へ連絡する女性交通事故後は保険会社との連絡も必要になります

なお、整骨院へ通院した場合の施術費がどのように扱われるかは、事故状況、けがの内容、施術の必要性、保険の契約内容などによって変わることがあります。

「交通事故なら必ずすべて無料になる」と一律に考えるのではなく、自分の事故でどのような扱いになるのか確認しながら進めることが大切です。

鹿大前整骨院へ交通事故で来院される場合も、現在の通院状況や保険会社とのやり取りを確認しながら対応しています。

ながらスマホ事故のよくある質問(FAQ)

Q1. 信号待ちでスマホを見るのも違反ですか?

A. 道路交通法では「停止しているときを除き」とされています。ただし、信号が変わったことに気づかず発進が遅れたり、周囲の状況確認がおろそかになったりする可能性があります。スマートフォンを操作する必要がある場合は、交通の妨げにならない安全な場所へ停車してから行う習慣をつけるほうが安心です。

Q2. スマホを車載ホルダーに付ければ見ても大丈夫ですか?

A. 手で持っていなくても、運転中に画面を注視する行為が問題になることがあります。地図アプリを利用する場合も、目的地設定などの操作は出発前に済ませ、走行中は画面を長く見続けないことが大切です。

Q3. 相手がながらスマホなら過失割合は100対0になりますか?

A. 必ず100対0になるわけではありません。交通事故の過失割合は、事故の類型、信号、一時停止、道路状況などをもとに考え、そのうえでスマートフォン使用が事故にどの程度影響したのかが検討されます。事故ごとに状況が違うため、一律の割合では判断できません。

Q4. 事故直後に痛くなくても病院へ行ったほうがいいですか?

A. 交通事故では、時間がたってから首や腰などの痛みを感じるケースがあります。特に身体へ衝撃を受けている場合は、事故直後に症状が軽くても状態を確認しておくことが大切です。頭痛、吐き気、しびれ、強い痛みなどがある場合は早めの受診が必要です。

Q5. ながらスマホ事故のけがで整骨院へ通えますか?

A. 交通事故による捻挫や挫傷などについて、柔道整復師による施術が選択肢になる場合があります。ただし、整骨院では画像検査や医学的な診断はできません。まず整形外科などで身体の状態を確認し、その後も医師による経過確認を受けながら整骨院を併用する方法があります。保険を利用する場合は、通院前に保険会社へ連絡しておくと手続きを進めやすくなります。

ながらスマホ事故では早めの対応を

ながらスマホ事故は、「少し画面を見ただけ」というほんの数秒から起こることがあります。

2025年には携帯電話等使用による死亡・重傷事故が148件発生し、携帯電話等を使用していた場合の死亡事故率は、不使用時と比べて約3.4倍でした。

時速60kmの車なら、わずか2秒でも約33.3m進みます。その間に道路状況は大きく変わります。

運転中にスマートフォンを操作しないことが、何より大切な予防策です。確認する必要があるなら、安全な場所へ停車してから操作してください。

そして、もしながらスマホが関係する事故に遭ってしまった場合は、相手のスマートフォン使用だけに気を取られず、警察への届け出、事故状況の記録、身体の確認、医療機関の受診、保険会社への連絡を順番に行いましょう。

交通事故では、事故直後には感じなかった首や腰の痛みがあとから出てくることもあります。違和感を感じたら、そのまま長期間我慢しないことも大切です。

鹿大前整骨院では、交通事故後の首や肩、背中、腰などの不調について施術を行っています。整形外科へ通院している方の併用についてもご相談いただけます。

平日の通常受付時間に間に合わない場合も、交通事故の方は事前予約で22時まで対応しています。

事故後の身体について「これくらいなら放っておいて大丈夫かな」と迷っているときこそ、早めに身体の状態を確認しておきましょう。

ABOUT ME
宮原璃央
鹿児島市鴨池で鹿大前整骨院を運営している、院長・柔道整復師の宮原璃央です。 交通事故後のむちうち、首・肩・腰の痛み、頭痛・めまい・しびれなどでお困りの方に対し、事故状況や症状の経過、身体の状態や動きを確認しながら施術を行っています。 鹿児島で交通事故後の身体の不調や通院先に迷っている方が、安心して相談できる整骨院を目指しています。